外国人がシンガポールで働くにあたって労働許可証を申請するには、いくつかの選択肢があります。知識や技能、仕事によって、エンプロイメントパス、Sパス、労働許可証、エンターパスの4種類のどれかを申請する必要があります。
高所得の専門家はエンプロイメントパス、技術者はSパスか労働許可証が多いです。エンターパスはこれからシンガポールでの起業を考えている人達向けです。
1. エンプロイメントパス(EP)
シンガポールの雇用主から仕事のオファーを受けた外国人専門家で、月給3,300Sドル以上の場合はエンプロイメントパスを得る資格があります。雇用主または雇用代理店が被雇用者に代わって申請しなければなりません。承認されれば、被雇用者は最長で2年間、シンガポールに住み、働くことができ、以後の更新で最長3年まで延長することができます。パス保有者の月給により、扶養家族の滞在期間も異なります。EPを持っている被雇用者は企業の外国人労働者割り当てには含まれません。
パーソナライズエンプロイメントパス(PEP)
エンプロイメントパスを持っていて、月給が12,000Sドル以上ある人は、直接パーソナライズエンプロイメントパスを申請することができます。外国人専門家で月給18,000Sドル以上の人も申請の資格があります。有効期限は最長で3年間で、更新はできません。他のパスと比べると、PEPではよりよい仕事を見つけることができます。保有者は最長で6ヶ月間、シンガポールで仕事を探すことができ、法や医療を除くどのような分野でも働くことができます。仕事を変えた場合でも、新たなパスを再申請する必要がなく、労働省へ届け出をするだけで済みます。
2. Sパス
月給2,200Sドル以上の中級レベルの技術者は、雇用主か雇用代理店を通してこのパスを申請します。仕事を変える場合には、新たな雇用主が新しいパスを被雇用者の代わりに申請しなければなりません。最長で2年間有効で、それ以降は最長で3年間の更新が可能です。このパスの利点は、雇用主が被雇用者に対して医療保険を提供する義務を負っているという点です。
しかし、Sパスの取得は簡単ではありません。企業側はパス保有者がいると人頭税が課税され、厳しい外国人労働者割り当てを遵守しなければならないからです。サービス業の場合、Sパス保有者は全従業員の15%以下にしなければなりません。その他の職種は20%以下の割り当てとなります。月の人頭税は10%以下の人数に対しては、外国人労働者1人につき、月315Sドルとなっており、10%を超える場合には550Sドルとなっています。
3. 労働許可証
技術者のうち、建設業、製造業、海運業、プロセスやサービス業に従事する人へ発行されます。雇用主や雇用代理店が被雇用者に代わって申請する必要があります。最長で2年の有効期限があり、更新可能です。Sパス同様、人頭税の納付と外国人労働者割り当てに適合していなければなりません。この2つは産業によって異なります。労働許可証とSパス、エンプロイメントパスの大きな違いは、労働許可証の場合は家族がシンガポールに住むことはできませんが、Sパスとエンプロイメントパスは条件を満たせば家族が同伴することができる点です。
4. エンターパス
外国人で、シンガポールでの起業を考えている場合はこのパスを直接申請することができます。申請の条件を満たすためには、申請者とその会社が特定の条件を満たしている必要があります。会社は会計企業規制庁に登録されていなければならず、払込資本を少なくとも50,000Sドル保有していなければなりません。エンターパスは保有者に対して、最長1年間シンガポールに住むことを許可しており、期限後は更新の必要があります。パスの更新後は家族を呼ぶこともできます。最初の1年間は家族を連れてくることはできませんが、仕事が軌道に乗り、特定のレベルを満たすことで家族の居住が可能となります。
この4つがメインの就労ビザとなりますが、他にも外国人がシンガポールで生活し働くためのパスがあります。例えば、外国人家事手伝い、助産師、演劇・音楽のパフォーマー、訓練生、学生、パス保有者の家族、短期間労働などに発行されるものです。